2026-002

こんにちは、岸田です。


今年の2着目が完成しました。

2026-002 un-coverall






今回は再現性が非常に低いという意味合いで少しスペシャルな生地を織りました。

まず経糸は前回のjournalで紹介したun-memoriesの色の濃い方の生地と同じです。

un-memoriesに必要な生地が1.5m程と少なめだったので経糸一続きで別の生地を織ろうと設計しました。

とはいえun-memoriesの生地のために経糸を選定したので、

その続きの糸で何を織るのか、ましては何を縫うのかは全く決めていませんでした。



もちろん先に作りたい服のイメージがあって、それに合わせて生地を織る場合もあるのですが、

今回はそれとは相反した制作手順です。



僕は案外このアドリブ的な制作の手順も好きで

特に裂織りとなると不要になった生地ありきなので、

それをどのように活かして(美しく)調理していくのか

ということが重要になってきます。

糸や生地との対話が必要ですし、時にはなかなか対話の折り合いのつかない場合もあります。

これが僕がオーダーでの制作ではなく、一点物の制作がメインになっている理由の一つでもあります。



今回の緯糸の裂き生地にしたのはスーツの生地の端材の中の端材です。

そもそも普段から裂織りに使用しているスーツの端材は長いものだと1m近くあるものもあり

要するにスーツを縫うには少し足りないから使い道がない、ようなもので基本安くで売られているものです。

それで今回の端材の中の端材というのは、

端材としても認められないような、

一部キズがあったり穴が開いていたり日焼けしていたりする数10cmほどのもので、

生地屋のおっちゃんいわく売ることもできずに普段は捨ててしまっているとのことです。

僕の活動を生地屋のおっちゃんに伝えたら出してきて譲ってくれました。

とはいえ生地は国産のウール生地で裂くには良い雰囲気です。









で、この傷ありの小さな端材を生かすために

民芸展で見た柳宗悦が集めていた江戸時代の裂織りを思い出しました。





僕は裂織りという手法をこの現代にやるにあたって

活動を始めた当初から気を遣っていたポイントは

哲学的な意味合いは長くなるので今回は置いとくとすると

見た目な意味合いで、現代の生活・街並みに馴染む裂織りが出来るのかということです。

なので”一般的イメージの裂織り、っぽくない裂織り”してきたつもりです。





ですがやっぱり江戸時代の裂織りを実際に見ると

とてつもないエネルギーがありめちゃ美しい。





それで今回は、小さな端材を、小さく裂き

昔の人たちが作っていたであろう裂織りをイメージしながら

僕の裂織りへと落とし込む挑戦をしてみようと思いこの生地が出来上がりました。




すごく文章が長くなってきてここまで読んでくれる人がいるのか不安になってきつつあるので

もうこの辺でうまく締めれたらいいですが気の利いた言葉が見当たらないです。

まあ続きは会ってお話しできればと思いますということで、

ではまた。

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20260128