20260128
こんにちは、岸田です。
去年の11月のlounge saiにて承った”un-memories”の制作が完了しました。
un-memoriesとして制作を受けるのは今回が初めてだったので
実際にうまくいくか不安な部分もあったのですが
今回は有難い機会に恵まれとても良い取り組みとなりました。
今回の依頼主の方が持ち込んでくれたのは2着の着古した服とインドの手紡ぎシルク糸。
これらを使って巻きスカートのような腰巻きができれば、とのことでした。
その方はその形の腰巻きを使用していており、
筒状になっている布を履き、長さや幅はベルトや紐で調整して使っていると伺いました。
イベント前には僕が普段から作っている型の何かであれば制作できるなと考えていたのですが、
依頼主さんの布の捉え方、扱い方がとても素敵で、
形的にも直線のみなので端材が生まれずに僕の活動とも相性が良いなと感じたので
この依頼を制作させていただくことにしました。
制作にあたってポイントとなったのがインドのシルク糸です。
この糸をどのように使うかが面白くもあり難しい。
糸の強度的に裂織りの経糸に使うには弱いので基本は緯糸に使いたい。
一ヶ月ほど悩んでは頭の片隅に置き、というのを繰り返し2種類の使い方を描きました。
そして出来上がったのがこの2つです。
一つは裂織りの中でシルク糸をブロックのように織り込み模様を作るというもの。
もう片方はシルク糸を緯糸に混ぜ込みつつ、途中で経糸に通していくという変則的なもの。
両方ともあまり普段から使う手法ではないのですがこのシルク糸を活かすには良い手になったかなと思います。
今回のun-memoriesは、有難いことに依頼主さんの深い理解もあり
僕としても良い刺激を受けて、新しいインスピレーションを得ることができたので
とても楽しく挑むことができました。
あとはこの布たちが依頼主の方の生活の一部となっていってくれることを願うのみです。
言葉で表現をするのは難しいのですが
僕は職人ではないので、お客さんが望む形をそっくりそのまま作ることは出来なさそうです。
今回のようにお客さんの希望を聞いた上で、僕の中でそれを咀嚼し新しいものが生まれる、
そんな楽しいセッションのような形で”un-memories”という取り組みが続けられると良いなと思います。
ではまた。